小浜の首地蔵は兵庫県宝塚市にある首から上だけの二体の地蔵尊。
顔は長さ約1m、耳だけでも60cmほどで、屋根もなく野ざらしになっている。
元々すぐ坂の下の墓処の藪のなかにあったものを、地元の人がこの高台に運び、御堂を建てて中に安置しようとしたところ、その大工が病気になった。「これは家に入るのをお嫌いになるのであろう」ということで、雨晒しになったと伝えられている。
また一説によると、小浜がまだ武庫の海の入江だったころ、漁師が夢のお告げをうけ、浜辺の砂に埋もれていた地蔵尊を見付けこの高台にお祀りしたという。
さらに或る説では、伊丹の殿様が、夢のお告げに現れた地蔵尊に願をかけ持病の頭痛を治していただいた御礼にこの首地蔵を刻み、地蔵尊の示した小浜の高台にお祀りしたものとか、武庫川の上流から洪水の際に、見佐村の河原に流れ着いたとか色々な説がある。
首から上の病気に霊験あらたかだといわれ、8月23日・24日の例祭には延智院に入り切れぬほどの信者が集まるという。近年では「頭が良くなる」と受験生がお参りしている姿も見られる。
地蔵は新旧二体が祀られているが、昭和50年11月に拝堂が燃えその火炎で旧地蔵のお顔が欠けたことから、その後近隣の人々によって新しい御影石の地蔵尊が安置されたという。
兵庫県宝塚市小浜5-1-3