台北孔廟は台湾の台北市にある孔子廟(コンツーミャオ、コンズミャオ)。中国、春秋時代の思想家、儒教の創始者である孔子を祀っている霊廟。
1875年から建設が始まり、1884年に完成。しかし1894年に日清戦争が勃発。戦争の結果、台湾は日本に割譲され、日本軍が台北を占拠。孔子廟や記念碑、備品のほとんどが破壊され、廟の敷地は日本人学校として利用された。しかし1920年代から孔子廟復興の動きが市民の間に広がり、中国大陸から寺院建築家を招聘。1939年に現在の孔子廟が完成した。第二次世界大戦後、台北市に寄贈され、台北市政府の管轄下におかれた。
孔子廟の南側、庫倫街に面した外壁には「萬仞宮牆」の四文字が大きく書かれている。これは論語の一節よりとられており、「学問を収めるのに近道は無い、真面目に学ぶのみ」という意味。
櫺星門は石造りの立派な門で、石材の大半は、わざわざ中国本土から運ばれてきたという。柱には対の龍などの彫刻が施されている。儀門は中央の入り口横にある、『螭龍圍爐』と呼ばれる木彫りの窓が美しい。
儀門を通り抜けると、本殿前の広場がある。本殿である大成殿は二重屋根で、周囲に回廊が設けられている。 孔子廟には神像は安置されておらず、本殿中央に孔子の位牌、その周囲に四大弟子(孟子、顔士、曽士、子思士)や12哲人などの位牌が祀られている。孔子の位牌の上には「有教無類(人間の種類による違いは無い。教育の違いだけである)」という論語からの言葉を金文字で書いた額が掲げられている。この額は蒋介石元総統の筆によるという。
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